自由律俳句結社 青穂

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私の感銘句  2021.07.08更新 青穂第40号より
 
 

 

伊坂恵美子 選

ふんわりとろけてバスは眠るだけ  酒本 郁也   


バスはゆらゆら優しく揺れながら。忙しい私も、のんびりな私も、疲れきった私も、みんな受け止めてくれる。そんな句に思えて、思わず微笑んでしまいました。




早舩 煙雨  選

ありがとう小春日和に座る  南家 歌也子    

 ありがとうの対象が曖昧で様々な場面を思い描けるところが、とても素敵に感じました。小春日和は使い辛い単語のように思うのですが、この句の中では出っ張らずにスムースに読めてしまうのは、抽象ではなく実際に座る場所・具体物として描いていらっしゃるからなのでしょうか。場所、相手、主体のどれもが少し幸せな、とても嬉しくなる句でした。




中村 勝   

電車の軋み一針一針痛み抜く    小山 貴子   

 身体的な痛みに耐える実体験かもしれませんが、私には心象的な断片と映りました。独立した句としても詠むことはできますが、掲載五句を連句として詠むこともでき、作者の人生観が如実に表れた深みを感じます。掲句では電車の軋みを一針一針と表現したところが巧みで、際限なく続くこの世の悲哀を懸命に耐える人の力強さを感じます。

 



私は人々にかういふ。

君等が心の土に真実の種をおろせ。 

君等が生活の上に生命の木を生ひ立たせよ。

大地の力を生きることの力とせよ。

太陽の光を生きることの光とせよ。

然らば、君等が生命の木はやがて多くの花をつけ多くの実を結ぶであらう。

(井泉水著『生命の木』「芸術より芸術以上へ」)